社内にエンジニアがいなくても、Webサービスは立ち上げられるか
立ち上げられます。構想の整理から設計、開発、本番公開、引き継ぎまでを一貫して任せられる依頼先を選べば、社内にエンジニアがいなくても、新規事業のシステム開発を進め、Webサービスとして公開し、使い始めることができます。
ただし、すべてを外部に任せられるわけではありません。誰のどの業務を良くするのか、最初に何を公開するのかといった判断は、事業と業務をよく知る社内の方にしかできません。社内にエンジニアがいない場合に大切なのは、社内で担うことと外部に任せることを分けて考えることです。
この記事では、ProductBuild Studioの新規開発(3か月)を例に、社内で担うこと、外部に任せられること、アカウントとソースコードの名義、進め方と費用、公開後の続け方を順に整理します。
社内で担うこと
社内にエンジニアがいなくても、次のことは社内で担っていただく必要があります。多くは、技術の知識より、事業と業務の知識が求められる役割です。
- 目的と、最初に届ける相手を決める:解決したい課題、主な利用者、中心となる業務、優先順位を決めます。
- 意思決定をする方を決める:開発中の確認や判断を、どなたが最終的に決めるのかを決めておきます。
- 業務の説明と、確認へのご回答:現在の業務の流れや扱うデータをご説明いただき、設計内容や画面、業務の流れの確認にご回答いただきます。
- アカウントの準備:AWS、ドメイン、GitHub、外部サービスの契約と、作業に必要な権限の付与を行っていただきます。初期設定は当方が支援します。
- 受入確認と公開の承認:合意した受入条件に沿って動作を確認し、本番公開を承認していただきます。
要件がまだ固まっていなくても、ご相談いただけます。お問い合わせ後の事前確認と60分の初回相談で、課題、主な利用者、中心となる業務、必要な機能、優先順位、希望時期を伺い、見積もりと対応可否を判断できる範囲で整理します。画面・データ・APIといった詳しい設計は、ご契約の後に行います。
外部に任せられること
ProductBuild Studioの新規開発(3か月)では、次の内容を固定総額に含めて担当します。
- 構想の整理と、最初に公開する範囲(MVP)の設計
- 画面・データ・API・認証などの設計
- スマートフォン向けのレスポンシブ対応を含むWebアプリケーションの開発と、基本的なテスト
- AWSでの本番環境の構築と公開(ドメイン・DNS・SSLの設定支援を含む)
- 操作説明と、引き継ぎ資料の作成
- 本番公開後の受入確認と、合意した仕様と異なる初期の不具合への対応
画面については、MVPに必要な情報設計、画面構成、基本的なUIの設計と実装を含みます。ブランド戦略やロゴ制作、高度なビジュアルデザイン、撮影、詳しいユーザー調査などは含みません。
※ 他社が開発した既存システムの保守・改修・機能追加・運用の引き継ぎは、お受けしていません。既存のシステムを、今のコードを使わずに作り直したい場合は、リプレース開発(6か月)のページをご覧ください。
アカウントとソースコードは、誰の名義にするか
社内にエンジニアがいない会社ほど、最初に確認していただきたいのが、アカウントとソースコードを誰の名義で管理し、誰が権限を持つかです。開発を任せる相手が変わっても、自社でサービスを持ち続けられるかどうかに関わるためです。
ProductBuild Studioでは、次の形を基本にしています。
- GitHub、AWS、ドメイン、外部サービスは、原則としてお客様の名義でご用意いただき、請求情報と最上位の権限をお客様が持ちます。当方は、作業に必要な最小限の権限で作業します。
- ソースコードは、開発の開始時から、お客様名義のGitHub Organizationのプライベートリポジトリで管理します。後から移す作業は、原則として発生しません。Organizationをお持ちでない場合は、ご契約後、開発の着手前までのご準備を支援します。
- 引き継ぎでは、主な機能の操作方法、アカウントと権限、外部サービスの一覧をお渡しします。あわせて、環境構築やデプロイの手順、既知の制約、運用上の注意をまとめた資料を整えます。
立ち上げまでの進め方と期間
ご相談から開発の開始までは、通常2〜4週間が目安です。秘密保持契約(NDA)、社内の稟議、法務・セキュリティの審査、AWSやGitHubの準備が必要な場合は、1か月以上かかることがあります。開始日は、受注枠と準備状況を確認して合意します。
開発が始まってからは、次のように進めます。
| 1か月目 | 最初に公開する範囲を確定し、利用者、中心となる流れ、対象外、受入条件、画面、データ、API、認証を具体化します。 |
|---|---|
| 2か月目 | 中心となる流れを開発し、途中で動く画面をお見せして、操作感や業務上の認識の違いを確認します。 |
| 3か月目 | フィードバックの反映、テスト、AWS環境の準備、公開の承認、本番公開、操作説明、引き継ぎ資料の共有を進めます。 |
| 4か月目まで | 受入確認と、合意した仕様と異なる初期の不具合への対応を行います。 |
当方の責任により、合意した範囲が3か月以内に完了しない場合は、追加費用をいただかずに、対応計画と新しい公開予定日をご説明したうえで完了まで対応します。お客様のご都合による遅れや仕様の変更、外部サービスの審査・障害などは、影響をご説明したうえで対応を協議します。
費用の考え方
新規開発(3か月)は、総額300万円〜(税別)です。プロジェクトの総額を3回に分けて、月ごとにご請求します。総額300万円の場合は、各月100万円が一例です。
画面を作るだけでなく、構想の整理から設計、開発、AWS環境、テスト、本番公開、操作説明、引き継ぎ、公開後のサポートまでを固定総額に含めています。常駐や時間単位での販売ではなく、合意した範囲を本番公開することを対象にしています。
中心となる業務を1つに絞って小さく公開したい場合は、総額60万円(税別)のMVP開発(1か月)もあります。1か月で作れる範囲の目安は、1か月のMVP開発でどこまで作れる?で解説しています。
※ AWS、ドメイン、生成AI、メールなどの外部サービスの利用料は、開発費とは別にかかり、原則としてお客様名義のアカウントから提供会社へ直接お支払いいただきます。構成が具体的になった段階で、見込みの金額と、増える要因をご説明します。
公開した後の続け方
本番公開の翌日から原則4か月目の末まで、受入確認と、合意した仕様と異なる初期の不具合への対応を行います。その後の続け方は、公開した結果と受注枠を確認したうえで決めます。
- 保守と小規模な改善を続ける場合は、3か月・総額150万円(税別)のスタンダード
- まとまった機能の追加を行う場合は、3か月・総額300万円〜(税別)のグロース
どちらも自動では更新せず、継続のご契約は必須ではありません。合意した場合は、受入確認の完了後に保守・運用を移管します。移管の後も続けられるよう、開発の開始時からお客様名義のアカウントで進め、引き継ぎ資料を整えます。
なお、新規開発にも公開後の継続プランにも、継続的な監視、緊急障害対応、24時間365日の対応は含みません。
依頼先を選ぶときに確認したいこと
社内にエンジニアがいない場合、技術的な提案の良し悪しを社内で判断するのは簡単ではありません。そこで、次の点を依頼先に確認しておくと安心です。
- 最初に公開するものと、後に回すものを、一緒に整理してもらえるか
- 作る範囲と作らない範囲、受入条件が、契約前に書面で決まるか
- アカウントとソースコードが、自社の名義で管理されるか
- 引き継ぎで、何を受け取れるか
- 公開後の対応期間と、その後の選択肢が明確か
- 予定の期間内に終わらなかった場合の扱いが決まっているか
ProductBuild Studioでの扱いは、この記事でご説明したとおりです。案件ごとの対象・対象外・受入条件は、作業範囲書で合意します。
まとめ
社内にエンジニアがいなくても、Webサービスは立ち上げられます。何を作るかの判断は社内で担い、設計から本番公開、引き継ぎまでは外部に任せる。そのうえで、アカウントとソースコードを自社の名義で管理しておけば、公開後も自社のサービスとして続けられます。どこから始めればよいか迷われる場合は、まずは初回のご相談で構想をお聞かせください。